地質調査総合センター

取組内容

第3期知的基盤整備計画における整備項目

地質調査総合センターでは、第3期知的基盤整備計画(2021~2030年度)に則り、以下のテーマの取組を継続して進めています。

(1) 陸域地質

実施内容 日本列島の陸域に分布する岩石や地層、断層等の分布を示した地質図(地質図幅)を整備します。国や自治体、民間企業の実施するハザードマップ作成や防災対策、産業立地等の基礎資料としての利活用を通じ、国土の持続可能な利用や災害軽減等の安全・安心な社会の実現に貢献します。 左上図:5万分の1地質図幅「大多喜」 / 右上図:20万分の1地質図幅「京都及大阪」 / 下図:20万分の1日本シームレス地質図V2

左上図:5万分の1地質図幅「大多喜」
右上図:20万分の1地質図幅「京都及大阪」
下図:20万分の1日本シームレス地質図V2

前半5年間の成果
利活用事例
  • 原子力規制庁で実施されている審査会合における電力会社等からの提出資料において、原子力関連施設の火山活動影響評価や活断層評価のために複数引用(2021〜2025年度)
  • 静岡県熱海市で発生した土石流災害に関する静岡県の検証委員会調査報告書に引用(2021.6)
  • 岐阜県各務原市の木曽川周辺整備における地質調査報告書に引用(2022.9)
中長期目標 社会的に重要度の高い地域(重点化地域)を優先し、2030年度末までに合計40区画分の地質図幅を整備します。
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(2) 海洋地質

実施内容 日本列島周辺海域における地質構造や海底表層堆積物の分布等の海洋地質情報を整備します。海洋資源開発や海洋再生可能エネルギー設備整備等の海洋利用に資する基盤情報を提供し、我が国の経済・社会の持続可能な発展に貢献します。 図:北海道南方の20万分の1海底地質図 図:海底表層堆積物の採取風景

上図:北海道南方の20万分の1海底地質図
下図:海底表層堆積物の採取風景

前半5年間の成果
利活用事例
  • 地震本部の海域活断層の長期評価でのデータ利用
  • 原子力発電所の安全評価等における海洋地質図データ利活用
  • 民間企業へのデータ頒布を年間4件程度、技術コンサルも多数実施。
中長期目標 2030年度末までに、南西諸島や沖縄トラフ周辺の地質情報整備を進め、10区画の整備を完了させます。
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(3) 都市域の地質地盤図

実施内容 人口が密集する都市域の地下の地層の空間的広がりを示した地質情報を整備します。二次利用しやすいデータ形式で地下の地質地盤情報の発信を行い、都市域における国や自治体の災害リスク評価の高度化や都市インフラ整備の効率化に貢献します。 東京都港区周辺の地質地盤図

図:東京都港区周辺の地質地盤図

前半5年間の成果 都市域の3次元地質地盤図「東京都区部」(2021年)、「埼玉県南東部」(2025年)、「千葉県中央部」(2026年)、「千葉県北部延長域」(2026年)
利活用事例
  • 建設事業への3次元地質モデルの貸与
  • 地層境界面モデルに関する技術コンサルティングを実施
  • 3次元地質地盤図を利用した地盤に関する技術コンサルティングを実施
  • 自治体による地震被害想定調査でのデータ利用
中長期目標 2030年度末までに、人口が密集する首都圏の東京とその近傍、中京圏の大都市周辺等において3次元地質地盤図の整備を展開します。
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(4) 沿岸域地質

実施内容 人口や産業が集中する都市沿岸域は、活断層や軟弱地盤などに起因する地質災害に脆弱な地域であり、精度の高い地質情報が求められています。そこで、沿岸域に特化した活断層や地盤特性等に関する高精度な地質情報を整備し、利活用しやすいデータ形式でウェブで発信することで、国や自治体による防災対策(強震動予測や被害想定等)に貢献します。 沿岸域地質図

図:陸域のボーリング調査、海域と陸域の物理探査の結果を総合的に解釈し、海域と陸域を繋ぐ地質情報を整備する

前半5年間の成果 海陸シームレス地質情報集
利活用事例
中長期目標 2030年度末までに紀伊水道沿岸域の海陸シームレス地質情報集の整備と、瀬戸内海沿岸域の調査と地質情報の整備を行います。
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(5) 火山地質

実施内容 火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山(主に常時観測対象51火山)において、過去の火山噴火履歴や火口位置、噴火堆積物等の分布情報を整備し、国や自治体の火山防災関係機関への情報提供を通じて火山防災に貢献します。 姶良カルデラ入戸火砕流堆積物分布図 御嶽火山地質図

上図:姶良カルデラ入戸火砕流堆積物分布図
下図:御嶽火山地質図

前半5年間の成果
利活用事例 焼岳・乗鞍・御岳・箱根等の火山防災協議会に専門委員として参加し、火山地質図等で取得した火山活動履歴情報に基づく助言を行っている。
中長期目標 2030年度末までに、社会的要請と活動度の高い8火山を対象とした火山地質図の整備、火山データベースの地質データの高度レイヤー化を実施します。
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(6) 活断層

実施内容 社会的影響が大きい活断層や基礎データが不足している活断層の位置や活動性等の情報を取得、整備します。国の地震本部への情報提供を通じて、国や自治体の活断層・地震災害の防災・減災対策等に貢献します。 図.赤河断層帯(岐阜県恵那市)における古地震トレンチ調査。

赤河断層帯(岐阜県恵那市)における古地震トレンチ調査。地震発生確率の評価に必要な活動性等の基礎データの取得・整備を進めます。

図.活断層データベースで公開している詳細活断層図。

活断層データベースで公開している詳細活断層図。活断層情報の位置精度を向上させ、縮尺2.5万分の1地形図上に活断層のトレースを表示します。

前半5年間の成果 活断層の位置や活動性等の情報を取得(24断層)
活断層データベースに収録する活断層情報の位置精度を向上(調査地点:約2,000地点)
利活用事例 瀬戸内海(伊予灘)における海底活断層に関する最新の調査結果が、大分県および山口県の地震被害想定の見直しに貢献
中長期目標 2030年度末までに、地震発生確率が不明ないし地震発生確率の幅が広い断層(10断層程度)の位置・活動性等の情報を取得・整備します。また、活断層データベースに収録する活断層情報(約2,000地点)の位置精度を向上させて詳細活断層図を作成・公開します。
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(7) 津波

実施内容 津波堆積物等、古地震・古津波に関する地質情報の収集と整備、それらに基づいた巨大津波の波源モデルの公開を行います。国が行う海溝型地震の長期評価や防災施策だけでなく、自治体のハザードマップ等への活用を通じ、津波災害の防災・減災に貢献します。 津波浸水履歴情報の整備手順

図:津波浸水履歴情報の整備手順。津波堆積物調査等による地質情報の収集と解析により津波発生履歴を解明し、それらの情報に基づいて津波浸水計算を行うことで波源の断層モデルを提案する。

前半5年間の成果 日本海溝中部および南部に関する情報を津波浸水履歴図として公開
利活用事例

令和7年度千葉県防災会議地震対策部会にて引用され、「房総半島東方沖の地震」の新規設定に貢献

中長期目標 2030年度末までに、千島海溝、日本海溝南部、相模トラフ沿いの過去の巨大地震・津波に関する情報を公開します。
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(8) 地下水

実施内容 地下水の水位や水質、水温などの情報を収集し、利活用促進を見据えてウェブ上で公開します。地域の地下水資源の保全や国や自治体による地下水を利用した省エネルギー対策技術、企業による地下水の新ビジネス創出に貢献します。 水文環境図 水文環境図構造 水文環境図操作

上図:水文環境図。説明書とマップをウェブにて閲覧できます。
中図:水文環境図の構造。地域の地下水情報がレイヤーとして収録されています。
下図:リスト画面か説明書にて見たい情報を選択してマップに表示させます。

前半5年間の成果 水文環境図、全国水文環境データベース
利活用事例 大井川地域地下水利用対策協議会総会において「水文環境図大井川下流域の成果」について招待講演を行った。
中長期目標 2030年度末までに、水文環境図7地域以上を公開します。また地下水・地表水等水質・同位体情報など全国水文環境データベースのデータ拡充を実施します。また情報発信方法の改善をおこなっていきます。
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(9) 鉱物資源

実施内容 国内外の鉱物資源ポテンシャル把握及び再開発可能性の検討を目的に、過去の鉱山における開発状況や休廃止状況等に関する調査を実施し、金属資源情報を整備します。持続的発展可能な社会構築のための、鉱物資源の安定的確保と供給に貢献します。 国内鉱物資源データベース

図:国内鉱物資源データベース

前半5年間の成果 国内鉱山の鉱物資源情報(位置情報等)の整備
利活用事例 国内外の民間企業からの鉱物資源に関する技術コンサルティングを複数実施
中長期目標 2030年度末までに、資源ポテンシャルの把握に資する国内主要鉱山の鉱物資源情報(位置情報、鉱量等)を整備します。

(10) 衛星情報

実施内容 衛星情報の品質管理技術を高度化するとともに、その知見を反映した解析手法や利活用技術に繋げていきます。これらを通じて、衛星情報を活用した宇宙産業ビジネスの振興や持続可能な産業振興に貢献します。 主題図作成の概念図

図:衛星情報にドローンによる高精度データや現地測定データを掛け合わせることで付加価値創出を図り、SDGsに資する主題図の精度向上および対象域の拡張を実現します。

前半5年間の成果 SDGsに資する主題図
利活用事例 1年間で衛星データASTER約17万シーンの提供。国内外の様々な地域からのダウンロードリクエストがあり、環境・資源・防災などの分野で利活用されている。


日米共同運用のTerra衛星インターフェース会議およびASTER Science Team Meeting(NASA, J-spacecystems)へ衛星データ品質管理等の情報提供を行い、Terra衛星運用方針決定等に貢献。
中長期目標 これまでに蓄積してきたマルチバンドデータやハイパースペクトルデータの品質管理技術を、民間企業との連携を通じて展開することで、商用衛星データの品質向上に貢献します。また、衛星に加えて現地測定技術やドローンを用いたハイパースペクトル技術の開発を進めます。これらにより、HISUI等のハイパースペクトルデータの補完・検証を行い、主題図の対象域の拡張および精度向上を図ります。