活断層・古地震研究報告 第24号 トップへ
表紙(写真)・裏表紙(写真)解説
表 紙
令和6年(2024年)能登半島地震で石川県珠洲市若山町の若山川沿いに出現した地表変状
令和6年(2024年)能登半島地震(Mj7.6)では,事前に海底活断層として認定されていた逆断層に沿って海底面を変位させる地震断層が出現したほか,半島北部の海岸が広域にわたって隆起した.一方,半島陸域の珠洲市若山町ではメートルオーダーの崖高を示す明瞭な崖を伴う隆起帯が従来活断層や活褶曲が認められていない場所に出現した(写真).隆起帯を形成する地表変状の詳細を把握することを目的として実施した現地調査および地震前後の数値標高モデルを用いた地形計測の結果を報告し,地表変状の形成機構についての予察的考察を行った.詳細は丸山ほか(1–23 ページ)を参照されたい.
裏表紙
香川県綾歌郡綾川町の綾川千疋観測点における物理検層
(a)綾川千疋観測点における掘削工事.深さ334 mの孔井を掘削するために,高さ約25 mの掘削用の櫓を設置した.(b)掘削孔井の物理検層で使用した比抵抗式孔壁画像検層ツール.ツールの開閉式のパッド(写真内のツールの下端から約1/3の位置)に埋め込まれたボタン電極を孔壁面に密着させて,孔壁表面の導電率を測定する.導電率に基づいて色調変化に変換して孔壁画像を作成する.孔壁画像を用いて(c)に示す亀裂の解析を実施した.(c)孔井を横切る地下亀裂の向きの分布.左から,亀裂面の法線方向の下半球面への等積投影図,その分布のコンター図,傾斜角の補正適用後の亀裂走向のローズダイアグラムを示す.2つの卓越する亀裂走向(東北東-西南西および北北東-南南西)は,観測点周辺の地質構造の特徴的な走向におおよそ対応する.詳細は木口ほか(本号の25–74ページ)を参照されたい.