2022年度地震・津波・火山に関する自治体職員研修プログラム開催報告

吾妻 崇・今西和俊・宍倉正展・川邉禎久・藤原 治

 2022年度の自治体職員研修プログラムは、7月26日(火)から29日(金)にかけて対面形式(写真1)とオンライン形式のハイブリッドで開催されました。参加して頂いた自治体は、対面形式が千葉県と富山県、オンライン形式が埼玉県、静岡県、和歌山県、三重県、浜松市、北九州市でした。鹿児島市からもオンライン参加の申請を頂いていたのですが、開催直前に桜島で噴火が発生して噴火警戒レベルが引き上げられて、住民避難対策等の緊急業務が入ってしまったため、参加がキャンセルになってしまいました。
 研修内容については、初日には、産総研の火山研究と防災対応への協力に関する紹介を行った後、自治体による地震・津波・火山防災の取り組みの紹介が行われ、富山県と千葉県から日頃の活動内容を紹介して頂きました。
 2日目には、午前中に地質情報に関する講義と火山に関する講義が行われました。午後には、自治体による地震・津波・火山防災の取り組みの紹介が行われ、和歌山県から活動内容を紹介して頂きました。また、その後に、活断層と地震動に関する講義が行われました。
 3日目には、午前中に海溝型地震を対象として、津波堆積物と海岸隆起、歴史地震および地下水観測に関する講義が行われました。午後には、地質標本館の見学(写真2)、活断層と火山のデータベースの紹介とそれらの使い方に関する講義が行われました。
 4日目には、房総半島において海溝型地震に関する現地見学が行われ、地震時の海岸隆起によって形成された地形(写真3)や津波が到達した高さを示す石碑などを見学しました。

2021年度地震・津波・火山に関する自治体職員研修のプログラム内容

日程講義内容
7月26日(火) 講義1 「産総研の火山研究と防災対応への協力」
自治体による地震・火山防災の取り組みの紹介(その1)
7月27日(水) 講義2 「地質図の利活用」
講義3 「日本の火山と火山活動」
講義4 「火山地質図から読み取れる噴火史」
自治体による地震・火山防災の取り組みの紹介(その2) 
講義5 「活断層と古地震調査」
講義6 「地震災害と地震防災想定」
7月28日(木) 講義7 「津波堆積物と海岸隆起」
講義8 「歴史資料を読み解いてわかる過去の地震と津波」
講義9 「南海トラフ巨大地震の予測と地震に関連する地下水観測データベースの使い方」
地質標本館の見学
講義10 「活断層データベースの紹介」
講義11 「日本の火山データベース、第四紀噴火・貫入活動データベース」
7月29日(金) 野外巡検「南房総における大地震の痕跡を探る」

2022年度の自治体職員研修プログラムの様子

2022度自治体職員研修プログラム
2022度自治体職員研修プログラム
2022度自治体職員研修プログラム