フィンランド出張報告: 2003.03.17写真・文:宮城磯治 (産総研・国際部門・国際地質協力室)※出張者:笹田政克&宮城磯治作成日:平成15年4月22日(火)| 全容 | 0(移動) | 1(GTK 1日目) | 2(GTK 2日目) | 3(ヘルシンキ大学) | | 4(VTT-process) | 5(STUK) | 6(自由) | 7(巡検) | 8(ポシバ社) | 9,10(移動) | ※現在の所属: 深部地質環境研究センター 主任研究員 GTK(フィンランド地質調査所)概要:
3月17日(月曜日) もくじ: | GTKまで | GTKの研究概要 | 地層処分概略 | 日本の紹介 | 帰路 | 得られた資料:
画像;スライドショーは→こちらGTKまで↑
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:左: 8:00頃起床。宮城はヨーロッパ旅行は初体験。
心配していた時差ぼけ感はなし。 12:50頃、ホテルの前にGTKのスタッフがむかえにきてくれた。
GTKとはフィンランドの地質調査所のこと。
Geologian tutkimuskesusの略で、
現地では「ゲーテーコー」と発音される。
フィンランド語を直訳すると、
Geologian (地質の)
tutukimus (研究)
keskus (センター) の意味になり、
産総研の
「地質調査総合センター」
を連想させるが、同所による公式の英訳はGeological Survey of Finlandである。
迎えにきてくれたのは、出国前宮城が何度もemailをやりとりしてきた Paavo Vuorelaさんと、 この時点では名前不明(自己紹介してくれたがききとれず)の方。 名前わからない方がボルボのセダンを運転。 この車も、周囲も、ほとんどの車はスパイクタイヤを履いている。 道路は石畳か、コンクリートでできており、 雪はないので、スパイクが路面をけずる。 市街地も含め、路肩の雪は灰色〜黒。 春先に天気が良いと粉塵が舞うとのこと。 GTKの研究概要13:15頃、GTKに到着。まずGaalさんがGTKの研究内容の概要説明。 Gaal(Gabor Gaal)さんの肩書はResearch Director。 Vuorela (Paavo Vuorela) さんの肩書は、 Manager, Nuclear Waste and Environmental Geology。 途中でDirector General (所長) の Raimo Matikainen さんが合流。 GTKはフィンランドの通産省の傘下にある研究機関である。 GTKの年間予算は40ミリオンユーロで、 そのうち9ミリオンユーロが通産以外から調達されている。 GTKの外部予算としては、 高レベル放射性廃棄物をあつかうPosiva社からの研究委託費や、 タンザニアやモザンビークの地質調査などが含まれる。 GTKは、放射性廃棄物の地層処分に関しては、 業務実施側と規制側という二つの椅子に座っていることになる (笹田&宮城が所属する 深部地質環境研究センター は規制側の研究機関である)。 GTKの研究員は780人(徐々に減少中)。 職員の定年は63〜65歳の間に段階的に行なわれる。 63歳になったら辞めてもいい、65歳には辞めなければならない。 GTK国内の拠点は3つで、A:spoo(フィンランド南部)、Kuopio(中部)、 Rovaniemi(北部)。 GTKの業務は3つあり、それらは、mapping(地質調査)、R&D(研究・開発)、 consulting(いわゆるコンサルタント業務)である。 地質調査業務には、Hard Rock & Raw materials (花崗岩/変成岩の調査、 氷河堆積物(建材などとしての利用)の調査)がある。 コンサルタント業務には、Land use(土地利用法)、がある。 EUから委託された研究が、7プロジェクトはしっている。その中に、タンザニ アやモザンビークの地質調査などが含まれる。 ここまでが、Gabor Gaa`l氏による説明。 地層処分の概略↑
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:14:30頃から、Vuorelaさんが地層処分関する解説を開始。 まずフィンランドの原発を紹介。 フィンランドには「オルキルオト」と「ロビーサ」に原発がある。 ロビーサの場所はフィンランド南東部で、ソ連の技術が使われている。 次に、放射性廃棄物地層処分の候補地選びの基準が紹介された。 地形が平坦であることも重要(∵地下水の動きが単純化される)。 フィンランドの基盤岩も変動している。その動きの少ない場所が選ばれる。 基盤が動く原因は、氷河の消滅による加重の除去(上昇)と、 大西洋の拡大による東西の広域的な圧縮によるもの。 廃棄物を埋める深度は、作業服など低〜中レベル放射性廃棄物が60m。 使用済燃料など高レベル放射性廃棄物が500m。 日本の紹介:14時55分から、笹田氏によるプレゼンテーション。まずは産総研と、地調の紹介。 深部センター、活断層、地球科学情報、、、と、産総研パンフにそって紹介。 次に日本の電力事情を紹介。 地熱発電のしめる割合が1パーセントときいて、 先方は驚きのリアクションをした(少ないため?かどうかは不明)。 笹田氏は、我々日本の研究はフィンランドに比べて20年遅れている、 とプレゼンテーションをしめくくった。 Vuorela氏は、 放射性廃棄物の地層処分は単純な研究でない、とコメント。 というのは、研究の初期段階は純粋な「サイエンス」でよいが、 計画の後半は市民への情報発信がかなりのウエイトを締めるという。 日本は基盤岩が不安定だという地質学的なハンデに加え、 90年代におきた二件の原発事故のために市民の目がきびしく、 二重に大変だ、お察っしします、、と。 Q フィンランドにも、 原発や放射性廃棄物の研究等を監視するNGOがいるのか(答えは、 たとえばポシバ社は非政府組織だよ (質問の仕方が悪く、Vuorela氏は意味を理解できなかった))。 ※翌日もういちど。昨日私が聞きたかった事は、 フィンランドに「グリーンピース」のような 環境保全に関心のある非営利団体がいるかどうかだった(答えは、 フィンランドには「グリーン党」という政治団体がいて、 監視している。フィンランドの市民運動は、 新規の原子力発電所の建設に対しては否定的だが、 放射性廃棄物の地層処分については肯定的である)。 帰路16時ごろ、GTKをあとにする。 今朝迎えてくれた人が、送りかえしてくれた。 同じ地質調査所としての親近感もあるだろうが、 彼らのホスピタビリティーに感動した。 帰路、こちらが英語で話しかけるが、ときどき通じなくなる。 するとその人は、 「僕は英語が苦手なんです、すみません」とあやまる始末だった。 フィンランド語は日本語とおなじぐらい孤立した言語だから、 ハンデを感じているのかもしれない。 とはいえ、フィンランドでは日本よりずっと英語が通じる、、。 |